書評


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[悪訳] J.E.Stigdttz,B.Greenwald[著]内藤・家森[訳](2003)「新しい金融論」東京大学出版会

 最近劣悪な訳書に出会った。原文と照らした訳ではないが、これまでの経験からStiglitzやGreenwaldがこのような愚かな書き方をするはずがない。54頁も預金者に対する「支払」部分の訳語が極めて不適切である。55頁も出鱈目に訳したとしか思えない。8-9行目など見ると投資銀行は預金受入をしていないため、預金準備率を税金と見た場合のτなどが最大化問題に入ってこないのは当然である。投資銀行の場合B=0となるのは、借入Dで投資するBがないという事であって、D=0のためである。この辺の事もよく理解して訳出しているとは到底思えない。翻訳能力のない人が良書を出鱈目に訳すのは止めて欲しい。

Kazari