[低質] 岡野宏文・豊崎由美(2004)「百年の誤読」ぴあ
基本的に小説のみ少しだけ理解できる低能力ライターが、ベストセラーを酒のつまみにした本である。山本七平の書いた本が出鱈目であることや、養老孟司の書いた本がトンデモ本の類であることを見抜けないあたりが、教養のなさや低能力ぶりをあらわしている。
良い点は著者たちの誤読が分かる本にもなっている。1900年からの10年毎のベストセラー本(統計によっているのは戦後のみ)のまとめが資料として役に立ちそうである。これだけ。そこだけ破って保存するために中古本\150を入手したが、真面目に読む価値はない。「はじめに」に当たる「百年への船出」では岡野宏文が、1960年にベストセラーの質が変わった。「だらしな」派へと切り替わると書いているが、本文中にそのような分析例は見当たらない。
<2010.9.20記>