書評


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[良書] 小森陽一[編著](2012)「沖縄とヤマト」かもがわ出版

 読んでほしい書物のひとつである。対談が主なので読みやすい。小森陽一が聞き手になって、新崎盛暉(あらさきもりてる)、伊波洋一(いはよういち)、石川真生(いしかわまお)、我部正明(がべまさあき)らの語った内容が、沖縄の証言として紹介されている。この中では、我部正明の証言が一番、低質で、読むに値しない。逆に言うと、他は皆読むに値する素晴らしい出来になっている。

 核兵器を核爆弾とすれば、長崎、広島にしか戦争で使われていないが、現実には、劣化ウラン弾がすでに湾岸戦争やユーゴスラビア紛争、沖縄米軍の演習などで用いられており甚大な被害を及ぼしている。我部正明の認識はいろいろと中途半端だ。

<2012.11.19>

Kazari