書評


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[良書] 山口一臣[編](2009)「筑紫哲也」朝日新聞社出版

 若者に対しては必読書と言ってもいいかもしれない。筑紫哲也が嫌いであっても、読むと参考になる点が多いので、この本は勧めやすい。筑紫哲也の死後に特集が組まれたもので、多くの人が「筑紫哲也」周辺のことを書いている。特に、新聞やニュース報道の作られ方に触れられている点が良い(115〜138頁)。番記者制度の問題点や、そもそもの取材不足、「新聞の新米記者の仕事がまず警察まわりからはじまる」ことが警察への評価が甘くなる背景にあるなど、最低でも新聞やニュースを読む側が知っておくべき情報に溢れている。

 最近のinternet 上の右派の記事にはこうした点をまったく踏まえずに、日経が書いているから正しいとか、気の触れた人かと思うような文章を数多く目にするようになってきた。日経には特定勢力に阿る目的で、合併つぶしのために、合併のニュースを流すことすらある。

<2012.12.3>

Kazari