復興構想会議の低質さ
財務官僚の馬鹿どもが作るとこうなるという典型
最近、あまりに馬鹿げた事が頻々とおき過ぎて批評するのもうんざりになってくるほど、ひどい事が多い。でも誰かが書かないと、官僚も真面目に働かなくなるだろうから、書いておこう。6月26日に出た復興構想会議の提言がいかにも予想されるようなくだらんものだった。財務官僚が主体になるとこうなるという典型的な内容なので、がっかりしました。
ここまで原子力事故などの対応が悪いと、OECD諸国なら、最低でも、農民、漁民の大規模なデモが発生するものだが、東北人は忍耐強すぎる気がする。フランスなら、農民が鍬を持って、農水省と東電を囲み、まずいろんな農機具を投げたり、捨てねばならぬ農産物を、農水省と東電の門前に持っていき、いま市場価格で直ちに買い取れと抗議の嵐がおこること請け合いである。こんなに我慢してもらって、なぜ、東電も国もきちんと支払いをしないのだろう。その間に、東北地方で、自殺急増って、・・・。
「防災から減災」と同時に「財源は増税」を提言に入れたことで、後世、今回の復興構想会議の委員は人殺しの汚名を浴びることになるので、覚悟して置くように。なぜかというと、過去、こういう文言を盛ると、役人は次のように対応するからである。例えば、いま、将来の長期的な復興計画と関係なく、突貫的に、無駄になっても行わなければならない土木工事がある。例えば、護岸工事、満潮の度に浸水を放っておいていいわけがないが、この提言が採用されるとほったらかしにされる確率が高まる。ただでさえ今回の震災で地盤沈下しているのに、このまま浸水を放置すれば、更に地盤沈下、そして沿岸部の国土消失になるのになぁ。国土交通省は領土を守るという大義だけ十分に公共工事をせにゃならぬはずです。とっとと工事しましょう。
復興会議の提言には公共事業を断る理由がたくさん盛られている。ただでさえ、住民のコンセンサスを得た復興計画がないことを理由に、復興の公共事業に財務省は難癖をつけられる。その上、増税されていないから、財源がない。財源がないから、この事業は認められないという嫌がらせまで可能にしたのでは、円滑な復興など実施されるはずがない。こんな提言なら、3ヶ月かけて作成するのは国費の無駄もいい所で、一週間で仕上げなければならない。官僚は、こうした専門家の提言などを使い、自分たちのやりたいように政策を実現しようとするし、こうした提言を発信することで「努力しています」という証拠作りを積み上げる。そのことで、自分たちが責任回避できると考えているんだな。そろそろこのシステム自体改めた方がいいよ。こういう復興事業こそ成果主義なんかを入れたらいいと思う。マスメディアも国民を愚弄せずに良く考えて報道すべきじゃなかろうか。今回、この7原則を真面目に検証して報道した機関はないと思う。
提言内容が専門家なら、震災当日から思いつくものばかりというのも、・・・。少しは、なるほどその手があったかくらいのものがあってほしかったのだが、援助の専門家から見れば、馬鹿でも思いつく内容である。提言を入れると、財務省があとあと復興庁の事業にありとあらゆる妨害が可能というおまけ付きでは話にならない。この提言7原則のうち、「防災から減災へ」と「財源は増税で」は必要ない、政治が判断すべきことで、こういうことで専門家が復興の足枷を作ることは、万死に値すると思う。
マスメディアはこういう政策の本質が分からないか、分かっても国民に知らせる義務はないと考えているらしい。エネルギー政策については、たけしの番組テレビタックル?かなんかで、岸が正しく解説していたが、たけしの番組がまともだったのは久しぶりである。九州電力のやらせメールに、老人政治評論家がどこでもやってるなどと放言していたが、岸が「九州電力をはじめ電力各社は、損害賠償の専門家なども自分たちの関連会社で雇って有利な内容にしてもらうために提言してもらったり、本来なら、もっとも民主的に運営しなければならない原子力発電所に関して、このようなことをするのは問題が多い」という趣旨の至極当たり前の内容を話していたのが印象的だった。よく編集せずに放送したね。暗に老人政治評論家が九州電力から金もらって発言したと取られますよと揶揄した格好になっており、笑ってしまった。再生可能エネルギー法案だけでは、現在の電力会社の利権と通商産業省の利権の強化にしかならない点をあげていた。電気事業法の変更が不可欠なのである。この番組では、自民党の河野などが自分の政権担当時の不備を一切棚上げして民主党の批判に終始していたのだが、民主党の原田があまり反論をしていなかったのも印象的だった。自民党時代の負の遺産もあり過ぎるくらいあるのに。
それと再生可能エネルギー法案は野党自民党がいろいろ反対してます。国会で片山さつきが噛み付いてました。太陽光だとパネル生産は中国・台湾のシェアが大きいからけしからん見たいな、WTOに違反するような内容の文句のつけ方だったんで、貿易の最恵国待遇の意味知らないのではと笑ってしまいました。そもそも今回のサミットで、フランスに原子力商戦で遅れを取ったのは、事故後の汚染水など浄化システムの技術を日本が提携企業のアメリカを含めても自前で用意できなかったことがもっとも大きいのだが、毎日も、日経新聞のような提灯記事をこの件に関して書いていたっけ。もし他国で事故が起これば、外交問題に発展するけど、それを治めるだけの実力がいまの日本の外務省にあるとも思えず、撤退でいいのではないでしょうか。将来世代に負担を残さない技術では今のところないのだし。
話を元に戻して、提言のうち、「防災から減災へ」というのが正しくなるためには条件がある。安全基準を、これまで使われてきた想定される災害ではなく、過去にないが、理屈の上でもしくは他の地球上で起こった最も大規模な災害を想定した上でなければ意味がない。なので「被害を最小限に抑えるだけでは」単に効率主義を入れただけの格好になるから、この定義だと、今後、今回の東北大震災に役に立った防潮堤であっても、費用がかさむから建築させないという論理に使われる。この辺も費用削減しかのうがない財務官僚が考えそうなことだ。
また、東北の復興というよりは日本のエネルギー政策に関しての提言が入っていて、マイナーな論点の「再生可能エネルギー法案を通すべき」というのが原則のひとつになっている。上述したように、再生可能エネルギー法案だけだと現在の利権の強化につながるから、わざわざ提言するような事柄ではない。仮にエネルギー政策に口出しするなら、経団連の代弁ではなく、「現行の50Hz60Hzの現在の電力供給体制を止めてどちらかに統一すべし」位のことを言わないと意味がない。
<2011.7.13記>