時事批評

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ねじれから自民党の政策丸呑みで、無残な野田政権

ASEANに2兆円もの事業費を出せるのに、なぜTPPなのか

 谷垣ですら、本気とは思えないが、農業のTPP交渉対象外を言っている。しかし、それ以外には言及していないので、谷垣にとって、国民皆保険や医療制度は破壊しても構わないものらしい。

 自民党が主導するようになってから、徹底して企業補助金の大盤振る舞いが行われている。復興支援予算には、関係のない円高対策費が盛り込まれ、国内工場新設に補助金を出すという最悪のものだ。大企業に減税、補助金を与えて経済がよくなることはない。逆に、官僚が自らの責任を全うして、公共事業などの発注の際に、現場監督を務め、ひとつの建設事業も、解体業者、基礎建築業者、建物建築業者、空調配管業者、電気配管業者と全部ばらして中小企業に発注すれば、建設大手に手間賃3割ほど取られないことで、多くの企業が適正利潤を稼げる。これは、先進国の乗数が1-2程度といわれる中で、乗数を押し上げる効果が認められる方法だ。現在の一括丸投げのPFIは、現実には大手への補助金にしかなっていない。これはソフトなどのほとんどの競争入札についても言えることである。官僚の無能力が、大手企業の利権を生み、無駄な間接費用で、乗数効果が落ちるのである。

政策論議がなく、人格批判に終始する自民党

 蓮舫の国会内での撮影など、どうでもいい。ちゃんと政策論議をしたまえ。建設的な野党を目指すと言った自民党であるが、それらしいことをこれまで一回もしていない。原子力発電所の事故の注水問題などは、国会を空転させただけの無駄な審議だ。少なくとも、ああした空転分は、自民党がもたらしたのだから、自民党の国会議員給与の返還を申し出てはどうか。東電の偽報告が原因と自民党が開き直るのなら、東電に国会の空転分の費用を賄わせるのが筋だろう。それを復興予算にあてるというのなら、建設的といえなくもなかろう。震災関連の2次補正をいたずらに1か月近く先延ばしした自民党の罪は、その程度では補えないが、ないよりはましである。

<2011.11.22>

Kazari