時事批評

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亀井よ、目を覚ませ

石原と組むなら、若者、中年票は得られない

 亀井がたちあがれ日本と石原慎太郎を入れた新党結成に動いたという報道が本当なら、亀井は目を覚ました方がいい。若者にとって、この新党は老害党に過ぎなくなる。そもそも政治家として仲間意識があるにしても、亀井と石原は政策的に近くないはずだ。たちあがれ日本の平沼赳夫くらいしか政策的に近い人物はいないだろう。それにたちあげれ日本は老人党と思われている。まさに既得権益づくめの印象しかなく、経団連などからすれば、無下にできる組しやすい党にすぎない。

 石原慎太郎は経済政策のセンスがまるでない。新東京銀行は今後も負債を垂れ流すだろうし、国際的な関税特区も一時的効果しかない。アイルランド同様、一時的に成長できても、その後、減税特権の廃止とともに大幅な景気停滞をまねくもので、将来の利食いと同じである。自分の任期中だけ良ければいい老人政治家が行ってよい政策ではあり得ない。石原のましな経済政策は、増税のみである。それにしても、社会サービスを累進的にではなくほぼ一律に引き下げた点は下層階級いじめにしかなっていない。デフレの最中、公共料金も多くが値上げされ、都民の生活水準を下げ続けている。また、石原になってから、官官広告など、官庁から官庁・財団法人へ金が流れる予算が増えた点もいただけない。そもそも選挙公約だった都公務員の大幅な人員削減は行われず、自然減に頼っただけで、あまり有効な政策を打ち出していない。

 増税路線という点では亀井と同じであっても、無駄な予算も徹底して行う傾向もいただけない。経済団体に阿る措置も少なくない。そもそも下水道料金を10円/1立法mだけで、いらなくなるようなダムを作る必然性が分からない。企業向けの下水道料金を引き上げると、水循環システムを多くの企業が組むので、下水道処理施設の増設が不要になるばかりか、上水道の不足すら起こらない。

 若年層は、石原慎太郎やたちあがれ日本をほぼ老人層の支持で、無責任な政策を行う程度にしか認識していない。亀井のひきいる国民新党の若手議員にとっては逆風にしかならない。下地なども得票率を下げる結果になるだろう。

<2012.2.9>

Kazari