時事批評

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猪瀬直樹の出鱈目度

まず実績から

 副知事の実績として、大地震の際の帰宅難民向けの食糧備蓄が唯一の実績らしい。

 ずいぶん地味で意味のない実績だ。災害時の指定道路で車で逃げ出す許可が与えられた中、帰宅難民対策だけ行っても、大災害に強い都市にならないことは何度も述べてきたので、ここでは繰り返さないが、冴えない実績である。

副知事以外の実績

 情報操作番組で、小泉純一郎を使って、猪瀬直樹がいたから、道路公団の民営化ができたとか言っていた。

 民営化されたから、安全対策がおろそかになって、トンネルの天井が落ちて、9名もの尊い命が奪われた。そういえば、4月に起きた事故も、外壁との間に緩衝帯を設ける工事が後回しになり、この事故でも7名が死んだ。民営化による安全対策不足は、昔から言われているが、規制をした上で、民営化しないと意味がない好例である。稚拙な民営化は被害者を出すだけである。

放り投げた石原らの応援演説

 知事を任期途中で放り出す人間が応援演説するとは笑い種だな。報道する側の神経も疑うね。

東京TVの現職知事の後釜を特集報道するのは公職選挙法違反では?

 12月7日、17:18のM7.3の地震のドサクサにこんな報道していいのかなぁ。猪瀬直樹だけを取り上げて、しかも掲げる選挙公約ではなく、元知事や元国会議員らの応援演説の内容を報道する組織的な操作振りには、辟易しかしない。長期政権はこれだけ、不法行為を行えるほど、都の官民癒着が激しくなるのだなと改めて呆れるばかりである。

 選挙公約にない演説「若者の力になる」などの猪瀬の発言を取り上げるのは、デマをまき散らしているのと同等で、これも公職選挙法の趣旨に反してますね。法を守らない東京テレビは廃局でいいのではないでしょうか。

気持ちの悪い選挙ポスター

 化粧が気持ち悪い選挙ポスターは最近多いが、これまで見た中で、一番気持ち悪い。

一番中身の薄い選挙公約

 猪瀬の打ち出した選挙公約は石原都政の引き継ぎだけで、独自の改革の方向性など新しいものは何もない。石原都政を延長しても、都の景気は良くならない。具体的な景気対策がないからである。こういう人が落選しないようだと、都の独立性も、国の独立性も保てない。

石原都政から引き継がれる原子力推進と弱者切り捨て

 なぜか真面目に報道されない。都政から国を変革するなら、原子力推進をやめ、弱者切り捨て政策をやめ、大企業への公共事業発注をやめ、福祉を手厚くするというのが、普通の改革だ。猪瀬の言う改革には、革新の部分が何もない。現状の利権維持だけである。

全世界の傾向から

 石原慎太郎や猪瀬直樹のような輩を支持するような一部の都市住民の意見を、都や国の政策に反映させると、失敗する事例が多い。多くの都市が災害に弱くなる。例えばタイのバンコクなど典型的である。タイではタクシン首相がチャオプラヤー川の川底を深くして洪水対策事業を公共事業として行う予定だったが、都市住民が予算の無駄だと反対して、タクシン政権を追い出した結果、大洪水に陥っている。

 タクシン首相が地方の住民を使って公共事業を行う際に、自分のファミリー企業が受注していた部分もあるだろうが、どちらが安上がりだったのかと鑑みると、洪水対策の方が安くついた計算になる。

 だいたい都市に集中して資本を投下した国は、アメリカ同様に歪な成長となり、地方にしわ寄せさせたところで、全体で成長できるようにはなっていない。かえって、無駄が増えた感じになるし、集中させた地域が被災すると、悲惨な結果になる。

 石原慎太郎都知事の際は、道路公団の民営化とは裏腹に、行政権を行使して、環状線の道路を地下化して整備したことが、話題になったが、民営企業に補助金をばら撒く政策のどの辺が褒められるべきなのかがよく分からない。

 最近のメディアは勝ち馬に乗りたいのか知らんが、偏向報道がひどすぎる。

<2012.12.7>

Kazari