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世耕弘成 経済産業大臣の不用意な北海道電力への通達

不必要な圧力はマスメディアが検証すべき項目

 6日午前3時8分ころ、北海道の胆振地方中東部(北緯42.7度、東経142.0度)で、震源の深さは約40km、地震の規模は6.7と推定される地震が起きた。道内全域に及ぶ大規模な停電が発生したのは、道内の最大規模の火力発電所(苫東厚真火力発電所)が震源に近く、緊急停止したためである。北海道電力の苫東厚真火力発電所(厚真町)の停止により、道全域の電力需給バランスが崩れたため、変電設備などを守る意味もあり、他の火力発電所も停電した。

 経緯からしても、震災被害にあった同発電所の安全確認を優先すべきことは自明のことと思われる。

 ところが、世耕弘成 経済産業大臣は6日朝、事態を把握していたはすであるにもかかわらず、怒声に近い形で、「数時間以内で電力復旧のめどを立てるよう、北海道電力に指示した」と息巻いてしまった。無用の圧力である。パワハラといっても過言でない。

 世耕弘成 経済産業大臣は「北海道電力より政府は努力している」とアピールしたかったのか、安部晋三首相の指示か知らないが、6日朝、北海道民に同発電所の安全確認を優先して安定稼働のために忍従を要求するべき場面だった。結局、経産省大臣の北海道電力に対する恫喝に近い発言によって、同発電所の第四号機を安全よりも再稼働を優先した結果、火を噴き、復旧が遠のいたということが疑われる。

 世耕弘成 経済産業大臣は「なんの功を急いだのか?」。災害復旧にあるべき態度とはかけ離れていた6日朝の発言はなんだったのか、マスメディアは詳細に国民に説明すべきである。こういう初期対応を誤る人間は辞任がふさわしい。

似た事例 スポーツ 日本体操協会

 宮川紗江選手が塚原光男副会長のパワハラを指摘した件

 いろんな報道があるが、とりあえず、外部情報を無視して、本人の発言と両者が認めている点のみで分かることについて指摘します。まず、暴力の処分問題にしても、話し合いの持ち方にしても、一般的に社会が認めるような穏健な進め方というものがあると私は思います。塚原光男副会長の発言を聞いていると、とにかく選手への扱いが雑という印象しかありません。手続きの進め方についても、何の内規もないのでしょうか。暴力問題についての勧告、指摘、コーチなどへの指導、守られない場合の資格はく奪など、明晰なプロセスが必要な話です。ところがこれについても、6年前の暴力問題で、オリンピックの2年前に永久資格はく奪、その流れだけでも違和感がある。日本体操協会にも同問題を塚原光男副会長に一任したなら、その責任を免れないと思う。特に夫妻同席で面接とかありえない。

 そもそも利害の同一な役職にスポーツ選手の性善説にもとづいて就いているなら、そんな役員に暴力問題を裁く権利があるのかも疑問である。最低限、夫婦なら、それぞれの職責が影響のない役職を務める、それが不可能な場合、どのような公正さへの疑いも持たれないために、夫婦の間は一方が役職を固辞するくらいの内規が必要だったのではないか。

 塚原光男副会長の発言を聞いていると、何人もいる選手をまた一から教えるのが面倒になっている先生と言われなれ、尊敬されないと怒り出す大学教授と同じ雰囲気しか感じない。発言内容自体が気持ち悪い。オリンピック選手を育てるんだというか、選手への尊敬がないと指導者をする資格がないと思う。その辺、具志堅幸司 副会長の発言と雲泥の差がある。

 塚原光男副会長は年齢的にも後輩に職を譲るべきでしょう。すべての体操オリンピック候補選手と良好な関係を築けないような副会長なんて、外部への外面だけよくてもいらないと思います。

 宮川紗江選手が練習に専念できる環境ができるだけ早急に実現することを心から願います。

<2018.9.6>

Kazari