時事批評

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新型コロナにまつわる謬説2

 集団免疫の考えが通用しない理由

 前回、科学的思考をすれば、この仮説は成立しえないことを書いたが、しつこくこの立場を捨てられない人々や専門家が多いので、とどめを刺しておきたい。

 新規のウィルス性感染症に対して集団免疫は不健全な考え

 まず、エボラ出血熱が日本で流行したら、このようなこと言えないよね。つまり、この立場を支えるには、様々な前提条件が必要なことは自明である。歴史的に1年程度の短期間に対抗薬が作られた歴史は人類は持っていない。
 第一に死亡率が低い。第二に、変異は人間に不利な方向には起こりえない。第三に、これまで歴史的にないが短期間に対抗薬が作れる。このすべてが満たされなければ、医療崩壊になるのは自明である。
 すでにこれまでの報道と「異なり」専門家が、ウィルスの凶暴化について、人間→動物→人間であれば、起こりうるといい始めている。気持ち悪いな。これまでそういう事は考えられないと言い張っていたのに。
 実際には異なる人種間で感染する場合、変質する可能性は十分にある。日本人が日本の風邪にかかっても大したことはないが、日本人がアジアでアジアの風邪にかかると高熱にうなされるような羽目になるし、その逆もよく報告されている通りだ。観察事実からすると、人種や風土が異なる場所で暮らしている人間同士が、グローバル社会で、旅行などを通じて、簡単に移動できるようになり、そのことが感染症のプロセスを複雑化させてしまう。凶悪化も簡単に起こりえる状況がグルーバル社会と考える方が自然なのである。
 現実に、今回は武漢ではS型亜種、L型亜種、イタリアではL型亜種、ニューヨークではY型と呼ばれる遺伝子配列の違いがあるといわれている。つまり、集団免疫が可能な条件の1と2はすでに成立しないことが分かってしまった。

 変異についてもうひとつダメ押ししておく。最近の科学論文によって、飛行機移動によって、ウィルスが変異するのではないかとの推測が行われた。飛行機に乗車した時に浴びる放射線量は陸上より強いため、スチュワーデスなどは発がん率があがる職業と言われている。そのため、欧米では発がん率が上がってもあまり平均余命に影響しない高齢者の職場となっているが、アジアでは若い人が働いていて批判も多いのである。
 つまり、発がん率が上がるような状況というのは、遺伝子が傷つきやすいことを意味している。だから、発がん率の上がる行動、状況には同様にウィルスの変異を促す効果があると推論できる。飛行機の放射線量の上昇程度で、ウィルスの遺伝子を傷つけられるなら、喫煙によってウィルスの遺伝子は、より傷つくと推論できる。なぜなら、一般に喫煙による発がん率の上昇の方が、飛行機乗車を繰り返すスチュワーデスの発がん率上昇より大きいからである。さらに言うと、ウィルスの存在する場所のがん(咽頭がんなど)の発生率が、喫煙によって大幅に上昇することも論拠と言えよう。

 インフルエンザの場合

 ここでいう集団免疫の考えは今回の新型とは異なる考えである。まず、抗体ワクチンがすでにある。抗体を予防接種を通じて受けた集団を増やすことで、インフルエンザの流行を防ぐという形をさして、集団免疫と呼んでいる。言葉として違う言葉と考えた方がいいとすら感じる。
 新型の場合、ワクチンはない。予防接種で流行を抑えることも不可能である。にもかかわらず、感染者を増やせば、免疫持ちが増え、流行が抑えられるというファンタジーを信じてくださいという、おとぎ話にすぎない。
 これがおとぎ話である理由は、すでに書いた通りである。対抗薬の歴史からもあり得ないファンタジーだし、抗体を作って風邪を治す、抗体は一定期間、高水準を維持する、いずれも科学的に証明されていないおとぎ話である。

 クラスター幻想

 さて、集団免疫の考え自体が通用しないなら、当然、クラスターをつぶせば、感染流行を防げるというのも妄想に過ぎない。
 質の悪いことに、このクラスター幻想は、政府のPCR検査をしない、検査すると感染を広げるというデマに基づいていることもさることながら、もともと感染症病床が不足している、感染症数を低くしたいなどおかしな動機に基づいていることからもナンセンスの極みである。

 そもそもすでにクラスターを追えなくなっている。もう次のフェーズに転換しないと手遅れになるのだが、そのタイミングで、根拠もなく、食事が原因だの、若者が原因だの、PCR検査を大規模に行えば、何が原因か分かるだろうに、調べもせずに、妄想たくましく、感染の責任を、政治的な圧力のともなわない層に押し付けるのはいい加減やめた方がいい。
 現実に、感染を拡大したのは、シニア世代(40代)以降の時間と金を持っている富裕な旅行を楽しめる層であり、北海道から全国へ感染を拡大させたのも、こうした世代であることは報道されている通りである。

 問題はそうしたシニア世代からなぜ若者に拡大したのかということだが、その感染経路は判然としていない。
 病院は、そのひとつだが、ライブハウスが原因なら、すでに書いた通り、パチンコやゲームセンターも同様であり、喫煙所も当然指摘すべき場所に相当する。死亡者に喫煙者が多いと、EUと中国が発表するに及んで、ようやく後追いで、喫煙について大々的に報道するなど恥ずべき態度である。はじめから分かっていたことだからだ。

 クラスター幻想が見えなくするクラスター

 感染者にきちんとした質問の仕方をしなければ、回答にバイアスがかかるが、今回の分析を聞く限り、バイアスを補正するような質問をしていないことは明瞭である。例えば、ライブハウス。どこで感染したか?などと単純に質問してしまうと、まれな事象が感染の場所と考えがちなのである。ライブハウスでの感染が言えるには遺伝子型の確認も必要だが、その情報も一向に開示されていない。
 もちろん、100%ライブハウスではないと言えるわけではないが、喫煙所で感染した人々がたまたま集まっただけかもしれない。これは軽微な感染者をPCR検査しない方針だから確率的に起こりえないとまで言えないのである。
 それとこれまでの歴史的な事例を鑑みると、いつの世もこうした感染症の大半は、風俗関係で拡散している。保健所の保健師の質問に、エロを自任している人が風俗店に通ってたと告白するか?かなり疑問である。
 そもそも若者に感染したルートもほぼ不明である。多くは、観光地を訪れた(例えば雪まつりに行った)シニア層が別の観光地に行き、そこで感染を広げたのが端緒ではなかろうか。あるいは喫煙所で中高年が若者と一緒に吸い、感染を広げたかもしれない。確定したルートは、海外組である。クルーズ船旅行を地中海で行った帰国者などから多く感染が出た。初動でこうした浮かれた層を渡航禁止にしなかったことはとても悔やまれる。
 東京オリンピック2020が開催されるというのに、タバコ規制が緩かったことが今回の新型コロナ感染予防を遅らせた要因でもある。タバコ産業が、日本版CDCの妨害を行い、喫煙行為を通じて、感染対策を難しくするのはいい加減やめさせた方がいい。

 今回に限らず情報操作に終始するマスメディアの人たち

 今回の新型コロナ関連では、執拗、悪質すぎるので列挙しておく。
 デマが多くて要注意の人々
 MC

恵俊彰
 今回、新型コロナの蔓延政策を支持した情報操作を繰り返してきたが、NY州で蔓延した途端にこれまで一度も発言してこなかった、新型コロナの変異、凶暴化について、これまで再三、注意してきたし、発言してきたとでたらめを言っていた。ここまで人間って地に落ちれるものなんですね。

坂上忍
 多数の死者が出ているこの話題について、ちょいちょい、おぎやはぎの小木博明にふり、笑いを取ろうとするのがとても気持ち悪い。自民党の集団免疫(蔓延政策)を支持した報道に終始している。

 御用学者

田崎史郎
 政治記者上がりらしいが、発言内容は機密費もらって自民党の広報する人という印象しかない。デマが多い。過去の発言を顧みず発言内容を変えていく点は恵俊彰と同じである。

八代英輝
 国際弁護士だそうだが、呆れるほど人権を無視した議論をすることが多い人物で辟易する。自民党の代弁者であることが多い。

岡田晴恵
 元厚生労働省官僚。マスク不足を招く発言を繰り返した専門家。「インフルエンザワクチンの有効期間は1年。ワクチン接種すれば感染しない」などデマをたくさん言う人。

二木芳人
 昭和大学病院の医師だそうだが、自身の病院が通常より病室をふさいでいて新型コロナ対応はあと一人しかできないと言って、正当化していた気持ちの悪い人物である。緊急外来指定病院ならあり得ない。3くらい空けとかないと緊急対応すらできない。民間がこのような新型感染症拒否のために、病室を埋める行動はSARSの時にも見られた。国会では共産党が再三質問して、公的病院の統廃合を見直すべきだと指摘しているが、安倍政権が公的病院の病床数を減らす方向の調整が続いている。

北村義浩
 番組によってかなり発言のぶれる印象がある。

久住英二
 専門家の中ではましな方だが、集団免疫を是としている時点で駄目である。ただ国際弁護士の八代が、科学的根拠に基づかない人権弾圧措置である緊急事態宣言を支持する番組で、PCR検査で根拠を示すことが必要と発言し、弁護士より人権を重視した発言を行う点は好感が持てる。早い段階で、ビルゲイツのPCR検査キットの送付やドライブスルーPCR検査を見習うべきだとした点も評価できる。

 今回比較的まともなマスメディアの人たち

残念ながら、下記3人以外の番組でまともなものをほぼ見当たらない。残念至極

堀潤
 東京MXの堀潤がモーニングクロスという朝の報道番組を行っている。良質なのだが、これしかやっていないので、地デジの午前中や午後にTVによる情報操作、世論操作番組が続くとそれに対抗するのは困難となっている。

堤伸輔
 TBSの解説者。ほぼまともなキャスターが見当たらない中、唯一まともなTVキャスターの一人。マスメディアの人材不足も甚だしい。BSのTBSを中心に出ていて、地デジの方は情報操作に終始しているから報道のTBSもかつて、そう呼ばれていた程度の話になっている。筑紫哲也がいなくなったのは本当に大きな損失である。

ロンブー淳
 東京MXでまぁまぁのニュース番組を行っている。

<2020.3.30>

 今回に限らず情報操作に終始するマスメディアの人たち(追記)

岡田晴恵
 番組出演が増えると眼鏡からコンタクトに変えるバカが多いが、その一人。共同トイレ浴室などの野戦病院でも良いと珍説を開陳していた。今回の新型コロナは感染力が強いので、これでは隔離期間中の感染を防げないので完全にダメである。陰性後の社会復帰を確実にできない。専門家会議でも同様の議論をしたらしく、日本の専門家の知性の低さを痛感せざる得ない。PCR検査では陽性の見逃しが多いから、これでいいという議論らしい。
 そういうことなら、そもそも緊急事態宣言を早期に出して、PCR検査をさぼるべきだったろう。しかし実際にそんなことをしたら、民主主義は崩壊するからね。専門家の無責任発言にどこまで付き合うかは考え物である。ギリギリまで感染を広げてから、このようなことを言うのは悪質である。PCR検査の検出率が低くても実態把握のために、検査すべきことは言うでもない。よく専門家は専門家にフリーハンドで任せればうまくいくと豪語しがちであるが、原子力事故に関してもうまくいかない訳で、その根拠のない自信によって国民が壊滅的なダメージを受けることは避けなければならない。
   さんざん、マスクをあおった挙句、こいつだけはマスクしないね。

<2020.4.1、4.30追記>

 デマが多くて要注意の人々の追加
 MC

 上記では持ち上げた堀潤であるが、ここ数か月、東京MXのモーニングクロスを録画チェックして、見る影もなくなったことを確認した。評価をあらため、要注意人物に分類し直す。

最近の堀潤
 東京MXのモーニングクロスの堀潤であるが、最近は問題の多い辛坊アナの番組に出たり、「貧困問題切り捨て、格差拡大を是とし、基本的人権を独自解釈しがちな」リベラリストであると表明しはじめた。昔は革新を是としていたはずだが、映画監督する際に、特定の資金援助でも得たのだろうか。立憲民主党には個人的な怨恨があるようで、そうしたことを感じ取られるような発言が目立つようになった。安倍政権のよいしょ発言も多い。

安倍政権の外交には、日米関係以外にはさしたる外交成果はない。伊勢志摩サミットなどでも力強い宣言をまとめられなかった。仕切ってるとか見苦しい発言をする田崎史郎などの幼稚発言に比べれば、若干ましな側面もあるが正当な評価とはほど遠い。
 テレビ各局が安倍政権の政策の方向性は間違っていないという橋下徹を中心にしたすさまじい情報操作が最近行われた。方向性が間違っている政策を掲げればきりがないが、いくつか指摘しておこう。

例えば、日本育英会の独立行政法人化がある。これにより学生は学資ローンの餌食になっている。そもそも奨学金を名乗る以上、無償給付しなければならないものを、特定職種に就いた際に債務免除するという日本育英会の(開発途上国の人が債務奴隷方式と笑うような)学資ローンを、完全な債務奴隷方式に改めている。無利子の学資ローンでは、生活費と学費が払えない水準に引き下げられ、延滞金は消費者金融並みである。容赦のない民間企業による取り立ては、「ブラック奨学金」と称されている。安倍政権下で起こった変化であり方向性が完全に間違えた政策である。

社会保障関係はおおむね上記と同様である。例えば年金のマクロスライドがある。これにより下流老人を大量に生み出すことになった。生活保護の算定基準も劣化し引き下げられた項目がある。

日銀の金融政策により既に日本の不動産市場はミニバブル状態と称され、これらのつけもいずれ別の政権が払わなければならない。格差拡大も力強い景気浮揚をもたらさず、結局、巨額の企業の内部留保をもたらしただけという結果に陥っている。小泉政権の竹中氏も、安倍政権も歴史的にどの先進諸国でも戦後生じていない「富裕層から貧困層へのトリックル・ダウン」仮説を唱えている。安倍政権が直接的に政治介入しようとした実質賃金ですら、まったく不十分である。観光立国についても、富裕層優遇政策にほかならず、弱者救済とセットでなければ、底辺を蹴落とす政策にしかなっていない。安倍政権下でおきた生活保護の増加を見れば、方向性が間違っていたことを端的に表している。

 今回比較的まともなマスメディアの人たち

モーニングクロスの論客たち

 ここ数か月録画チェックして愕然とした。劣化が激しい。比較的ましなな政治分野の論客は、田中康夫、サッシャ、パックンくらいであろうか。あとは科学担当の明るいニュースを提供する女性と1,2名を除けばほぼ全滅なのが残念である。

 その田中康夫にしても、直近では?本庶佑を委員に迎えるべきだと主張していたのが筋が悪い。本庶佑をPCR検査について理系動員など初期段階から提言していたと言っていたが、最初に言っていたのは山中伸弥の方である。安倍首相に提言したのも山中伸弥。それを潰したのが、厚生労働大臣や検査メーカー利権に群がる政治家たちである。それにリモート専門家会議で本庶佑は当初とんでもない発言をしていたのでダメだろう。ワクチンに対する適切な認識をもつべきだとか、ワクチン開発の歴史を無視し、副作用軽視の発言を行っていた。最新式のRNA型には副作用がないとかイカれてるのかなと感じたほどだ。最近自分への報酬評価が低いと製薬メーカーに訴えたばかりだし、法廷争いしてればいいだろうと思う。山中伸弥の方が適任ではあるが、iPS細胞の方に専念していただきたい思いの方が強く、日本の免疫学の層は薄いので適任者は簡単には見つからない。

テレビ出演していた医療関係者でこれはという人物が皆無なのが残念である。もちろん、厚生労働省技官:尾身茂など論外なのは同意見だが、日本の人材不足は根が深い。

ちなみにノーベル受賞者の理系のうち、倫理観がまともと言える人は少ない。人としてまともなのは、大村智、山中伸弥、田中耕一くらいしか知らない。人としてまともと言えないのは、優生学思想をもつといわれる江崎玲於奈、私の方が学術研究が勝っているのに同年受賞の本人前に不平を述べた小柴昌俊、理研の研究捏造問題で隠ぺいで幕引きを図った野依良治、受賞インタビューで生命の起源に関して大論文にするアイデアがあると放言したあと何も書かない益川敏英、ブルーレイの後、研究成果のない中村修二、本庶佑など実に多い。名前をあげなかった方は情報不足でよく分からないがまともだったとしても半数いかない。

<2020.9.15追記>

Kazari