カロリーゼロと果糖などについて
まだまだ多い健康関係のデマ報道〜熱中症
8月3日tvk(神奈川テレビ)で夜9時頃、熱中症対策を特集していたが、ニュース報道のような体裁で、女性アナがデマばかり言うので唖然としてしまった。スポーツ飲料メーカーが広告主で、その利権だけ代弁する必要があったのか知らないが、こんなにひどいのは久々である。
テレビ報道では、「熱中症対策として効果がない」飲料として、アルコール飲料とお茶とコーヒーが同列に挙げられた。信じがたい暴挙である。アルコールは、発汗作用の促進、利尿、眠気を催すなどいろいろあるから、総合的に水分補給として、熱中症対策として最も効果が薄いというのなら分かるし、飲み方によっては逆効果と言っても理解できる。しかし、アルコールですら飲んだ瞬間の一時的な状態なら水分補給になるかもしれない。ましてや、利尿作用があるだけのお茶やコーヒーがアルコールと同列にできるはずもない。効果がないというのは、効果がゼロということだから、もしそれが事実なら、お茶を500ml熱中症対策として飲むと、瞬時に利尿作用を発揮して、トイレに駆け出し、すぐさま飲んだ500mlを尿として排出しない限り、効果がないなどと言えるはずがない。そんな人間はいないはずだし、見たこともない。仮に1億人に1人そのような人間が存在したとしても、何の注釈も無くマスコミが不特定多数に向けて、「お茶やコーヒーが熱中症対策として効果がない」などとデマを言うのは、由々しき問題である。
医者が塩分を同時にとるべきだと述べていたが、その医者も阿保かと思う。もし、水分補給が十分すぎるほどしていた人が、塩分不足で、熱中症になった事例があるなら、日本で年間何例そのような患者がいるのか聞いてみたいものだ。普通の日本人は、食事による塩分摂取量が一日の必要摂取量を上回っている状態にある。だから普通の日本人が普通に生活する中で食事をしていれば、水の補給だけで熱中症になるはずがないのである。こういう事を「寝たきり老人は」とか限定条件をなしにいう事が理解できない。日本国内での一般市民の熱中症対策を前提にする限り、「塩分と同時に水分補給」自体が無意味である。水の補給だけで十分だ。
果糖を含むのにカロリーゼロ
一時期ペットボトル症候群が盛んに報道されたが、現在は熱中症とのセット報道は見かけなくなった。
カロリーゼロ飲料の中に、糖質が含まれることが多いので、数%はゼロ表示できるとか、からくりがあると思い調べてみる。この定義は、栄養表示基準制度(平成10年4より施行)によって定められているようだ。ノンカロリー(カロリーゼロ)の表示基準は、食品、飲料ともに100gあたり5kcal未満、カロリーオフの表示は食品が40kcal、飲料が20kcal以下と定義されているそうだ。もしスポーツドリンクなどで、4kcal/100mlのものを、500ml飲めば、20kcalに相当する。ご飯(1膳分)を140gとしてカロリーが235kcalだから、カロリーゼロ飲料を熱中症対策に飲んだ場合、たいしたカロリーにならない。普通のアクエリアス(コカコーラ社)は19Kcal/100mlとあるので、500mlで95Kcal、一日に必要と言われる3リットルをアクエリアスなどにすると、570Kcalにもなり、肥満を心配する水準かもしれない。この数字を見ても、スポーツ中とかなら兎も角、無駄に熱中症対策にスポーツドリンクを飲むべきものとは言えない。一日の必要摂取カロリーは性別、年代、肉体的仕事の質量などで異なるが、20代女性で1800〜2800kcal、30代女性で1750〜2750kcal、40代女性で1700〜2700kcal、20代男性で2250〜3550kcal、30代男性で2200〜3500kcal、40代男性で2150〜3400kcalくらいになるそうだ。570Kcalは20代男性で25%程度になる場合もあるから、あまりスポーツドリンクの飲み過ぎは良いと思えない。
少し、スポーツドリンクの肩を持つと、その主成分は果糖である。グリセミック・インデックス(血糖の上昇指数)は、果糖、大豆、きのこ、海藻、緑黄色野菜が10〜19と低いので、この数字が100のブドウ糖、60-69のショ糖などに比較すると優れている。
<2012.8.9>