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福島第一原発の原子力事故に対する特別調査委員会を作ろう

本当に政治主導で自民党が邪魔しなければできるはず

 委員会の主たるメンバーは以下のようにすればいいだろう。河野太郎(衆議院議員:自民党:1963年生まれ)、児玉龍彦(東大医学:1953年生まれ)、小出裕章(京都大学原子力工学:1949年生まれ)、宇都宮健児(弁護士:1946年生まれ)、室田武(経済学者:1943年生まれ)、鎌田慧(ジャーナリスト:1938年生まれ)などが各界代表の最適人材として考えられる。

 三次下請けを超えるというNHK報道が本当で、本人が身分を偽れば検査できない体制という東電の回答が事実なら、大阪で関西人を装ったテロリストが、事故を起こした福島第一原発でテロを行うことは簡単ということになる。今すぐ改めるべきだ。日本の右翼が怒りを表明しない理由が分からない。ヤクザが取り仕切れば見抜けると過信していたのか。警察、自衛隊を含め、今回の原発事故に対しては、事前にも事後にも危機管理がまるでできていない。テロ対策特別措置法の時に、きちんと組織的に対応策を検討していないこと自体がお粗末すぎる。それに事故の収束に向けては、自衛隊の折木良一統合幕僚長より、消防庁の方が危機に対する責任感があり勇猛だったことは、自衛隊の存在意義を弱める結果になった。安全な地帯で後方支援だけじゃなぁ。自衛隊の幕僚長は涙することで防衛大臣の批判を意図したらしいが、安全な時は放任を自己裁量と受け止め同じ防衛大臣をすばらしいと言っていたのに、国民の命や国土の保全の危機を前にして自衛隊員の命の方が大事との態度を取ることは省益にすらなっていない。

 東電は、数々の虚偽報告を国に対して行っている。例えば、外部電源喪失も当初は津波の影響だったが、後になって地震段階(福島第一原発では震度6で想定範囲内程度)で送電線が倒壊し、外部電源を失っている。また電力各社はマスメディア、関係企業のinternet環境を利用して、「1.事故の際のベントのマニュアルなどない、2.保安院の指示がなければ現場では何もできない」という内容のデマを方々で流していた。こういう情報操作は原子力保安院や反原発運動に対する威力業務妨害になると思うが、・・・。

 重大事故の背景には細かいミスが300程度あるという説もある。送電線の耐震基準など検討課題は山ほどある。特別に詳細に調査し、責任を明確にし、原子力発電設備を廃棄するまでの安全対策だけでも万全に対処していく必要がある。想定外などの言葉を使うのは、原発事故被災者に対して不謹慎であるし、不誠実でもある。原発立地地域では原発は安全だと説明してきたのだから。

必要な措置

 調査委員会が情報開示を要求した内容はすべて開示するよう法整備を行う。違反企業、省庁には厳しい罰則を設ける。

 東電は、原発事故被災者のために、水俣病を引き起こしたチッソ以上に厳しい補償会社として存続させていく必要がある。チッソ同様、国営化はありえない。謬説をまき散らすマスメディアが言うような国営会社にして、東電社員をリストラのない公務員として扱う意味がまずない。東電株はゼロ円になっても問題はない。損害を受けた株主は、旧経営陣が株主に嘘の報告を行うなど背任にあたる行為をしているはずなので、損害があれば株主訴訟すればいい。そもそも、ゆとり資産を株につぎ込むべきだし、電力会社は国営でもないので、すべて株主の自己責任であり、株主に関しては国は無視すればいい。

関連法案

 東電の事故補償の進捗を監査する機関の設立を国が責任をもって行う。通常の上場企業以上に経理情報を開示する特別法を整備する必要もある。チッソ同様、東電が資金ショートして倒産すると、原発事故被災者の救済ができなくなるので、その危険を回避する法案はすでに通っている。倒産を示唆した馬鹿エコノミストもいたが、過去の公害後の対策から見ても論外である。いくつかのテレビ報道で散見した。

 環境省を災害対策省にして、環境の部分は庁に格下げして構わないと思う。異常気象の原因が環境破壊だとしても、国際社会で対応しないと効果が望めない環境をメインに取り組むより、国際社会で進捗に乏しい環境を副題にして、異常気象の結果もたらされる災害対策に取り組む方が喫緊の課題である。国土交通省の災害対策部門と国土計画部門を全部災害対策省に異動させ人員も2割削減、交通部門は交通庁に格下げ。原子力保安院も災害対策省なら、利益背反が少なくなることが期待される。ちなみに厚生労働省の医学部門は文科省(名称は科学教育省の方がいい)に吸収させ、労働省と消費者庁と国民生活センターは国民生活省にして、その国民生活省内に年金庁、国民健康保険庁とした方が予算規模とかからもよいかもしれない。消費者庁の職員は貧困対策、職業支援を旧労働省の人材と半数で行う。省庁再編の際の総公務員数は3割の純削減を目標とし、外郭団体化による削減は認めないようにする。防衛省も今回の失態などから人材を2割削減させた方がいい。

※小出氏を間接的に中傷する記事「小出裕章氏が反原発のヒーローとなったもう一つの理由」を香山リカが書いている。誰が彼を支持しているのか調査もせずに断定するあたり、香山の心理学は「自分は神」という学問らしい。とんちんかんな謝罪も書いている。所詮、テレビで食っているコメンテーターってのは、まともな分析ができないらしい。

※どこかの三文テレビ放送局が後藤田正晴官房長官(自民党)をヒーロー扱いした提灯番組を、藤原帰一(東京大学、政治学者)をコメンテーターにして放送していたが、警察OBである後藤田は、冤罪隠ぺいのために、宮沢内閣の法相の時(1992年12月12日〜1993年8月9日)に、精神障碍者1名、再審請求中1名を含む死刑囚3人の死刑を断行したことでも有名である。同じく、警察OBの佐々を使って情報操作されるとまことに気持ちが悪い。佐々の捏造でないにしても、後藤田五訓を今の官僚に提示した所で、今の官僚には昔ほど国益重視派は存在しない。後藤田くらいの時代には表向き3割、内心ではもっと国益重視派がいただろうが、今では表向き1%いたとしてもすべて窓際、内心でもほとんどいないことが危惧される。いたなら、原発事故の補償はもっと迅速かつ大規模になるのが普通であるが、最小見積りにしようと暗躍した財務省と経済産業省にまともなのが残っている可能性は低い。ちなみに現在の東大卒業生の官庁の人気度で言えば、1位が不真面目にやっても利権(天下り)の多い経済産業省である。

※どこかの三文テレビ放送局が、フランスの核廃棄物の受け取り延長は、国益を損なうとかデマを流していたが、もともと1995年に切れるはずだったのを延長して、2012年になっていただけだろう。なぜそんなデマを流すのかよく分からない。日本の盗電、原子力発電に絡む三菱重工業、日立、東芝やマスゴミは追放した方が日本の国益になる水準まで地に落ちているのではなかろうか。そういや約120億円もする戦闘機F15をメンテする三菱重工業は2008年、2011年に2機墜落させている。こういう企業がいなくなる方が日本の防衛予算も安くつくのではなかろうか。

<2011.9.19記>

※その後の報道で、三菱重工業はサイバー攻撃も防げず、コンピュータ・ウィルスの感染を防げなかったらしい。防衛予算をめぐる国際テロだとしても、三菱重工業の分そっくり防衛予算を削減すれば、テロリストの利益になることはない。危機管理意識のない大企業に受注する防衛省自体に責任があり、防衛省の予算を削減してほしい。

<2011.9.21追記>

Kazari