企業連合が作る社団法人を廃止しよう
盗電関連の社団法人は氷山の一角に過ぎない
前に蓮舫が行政刷新担当大臣の頃は、事業仕分けでそれなりに新聞も報道していたが、今になって振り返ると、マスゴミの空騒ぎが起きただけで、あまり本質的でなかった気がする。財務省がお膳立てした部分だけだから、ああなったのだと思うが、真面目に官民癒着問題に触れるとすれば、戦後、官庁も予算が乏しい頃などに所管した民間企業などはすべて所管をやめても問題ない。そもそも独立行政法人が外郭団体として、あんなにいるのかといえば、半数もいらないはずだ。その機関への支出も5割削減できれば、政府の予算の透明性も高くなる。
社団法人の中には、業界統計を取るだけのために存在しているような業界団体もある。問題は公益性をどう図るのかという点にある。業界統計を公表すれば公益性があるのだろうか。自動車は公益性がないといえる道具だろうか。経済学で理論上ではなく実務に適した公益性を定義することは極めて難しい。どのように定義しようが、テレビですら市や町が所有し、市民や町民が利用できるようにすれば公益性が生じる。公益性が全くない企業も存在しない。公共性や公益性のある事業をどう定義するのかということに関わってくるが、そもそも公益性を非課税にする所から生じる問題であるから、あらゆる団体を原則課税にすれば問題は生じない。
あらゆる企業が1年目は課税対象団体で、もし、地方公務員の3種の所得水準以下の賃金労働しか使わないで、収益がゼロならば確定申告で非課税扱いにしたらいいだろう。翌年の慈善事業に使用する繰越金だけ認めれば多くのNGOも運営に支障はないはずである。スポーツ団体などのほとんどは、そもそも無料奉仕している運営者が多いので、すべての団体が原則課税で問題ないはずだ。役員報酬の月収が80万円で非営利団体というだけで非常に違和感がある。こういう社団法人などはボーナスなど3か月程度あるから、80x15=1200万円、年収1200万円。営利団体と認定して差し支えない団体である。5人家族(子供3人)を養うには年収500万円もあれば十分だから、実質的な実務をする労働者が月収40万円程度でよい。働き盛りが月収40万なら、普通に生涯賃金を鑑みれば家屋を購入できる世帯である。役員はフルタイムで働いていない場合がほとんどなので半額程度で十分である。非営利団体は労働者の月収〜60万円くらいまで、役員報酬〜30万円くらいまでの団体に限定して差し支えない。官僚の天下りについては公務員改革について別の提案をしたい。企業同様、入社試験だけで出世コースを決めない制度に改めることを提案する。1種でも能力がなければ、万年ヒラで国家に貢献できるようにすればいい。
最近、外国の報告書を訳出しただけの基本研究を随意の委託研究として受注するような団体もあると報道されている。ボランティア募集をかけて英書を無料で訳出させて、委託研究費を受け取るような団体の話も聞く。社団法人で役員報酬80万円ほど受け取りながら、ボランティアに無料で翻訳させるのも明確な詐欺だろう。ある業界団体の資料部門の社団法人で無料訳出、同じ業界団体の別の研究部門の社団法人でそれを無料利用していても実質は同じ事であるから、これらも非営利詐欺として、国は追徴課税を含めた厳しい措置をとるべきだろう。天下りのために見逃していいことではあり得ない。
民主党が本気で、こうした官民癒着を断ちたいと考えるなら、民主党自体が国民にパブリック・コメントとして、社団法人に関する情報提供を呼びかければいいだろう。山のように指摘してもらえるはずだ。
関連法案
現行の社団法人廃止までに次のような措置が必要になる。免税措置を受けるには、国税庁に複式簿記による電子帳簿納税を義務付ける。国税庁は電子帳簿納税のすり合わせシステムを構築し、上記のような詐欺団体の摘発を行う。簡単に数千億円の納税が増えるだろう。真面目にやれば数兆円になる。
共産党は反対だろうが、これを財源にして政党助成金を拡充するのも一案だ。その場合は政党への企業献金を一切禁止すればいい(これは共産党が賛成だろう)。こうした措置で経団連の汚れた資金を持たない志の高い政治家が生まれるなら、日本にとって良いことだ。
<2011.9.24>