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公務員改革1:現行の「2種→1種」だけでなく「1種→2種」を実現しよう

役人の説明:天下りがあるのは、1種の一部しか昇進できないから

 国家公務員I種というのは自惚れだけは天下一品なので、給与水準を一部上場企業の優良企業を基準にする。民間で大企業の出世レースからはずれた人が、肩書だけはプライドを保てる水準になる子会社へ出向するというのを聞けば、それを見習って、国家1種の官僚も同じ役職以上に天下ろうとする。しかし、現実には、バブルの頃すでに民間企業の人材に比べ、天下り官僚の人材は見劣りが激しかった。私も多くの企業からそういう声を漏れ聞いている。それでも受け入れが行われていたのは、バブルの頃は日本政府の公共事業に関する予算管理がすこぶる甘く、民間企業にとって、公共事業の利益率が民間事業より大幅に高かったため(ある業界では2〜3割)、公共事業を取ってこれるならと、受け入れられていたにすぎない。バブル崩壊以後の最近では、民間の事業の方が公共事業の利益率よりよくなっているが、いかんせん景気が悪すぎて仕事が少ない。仕事量の平準化や雇用の維持のために仕方なく、体力のある所が引き受けている状態だろう。

 現行で天下りを続けると、国力を落とすことにつながる段階にきているわけだ。ならば、民間企業を見習ってもらえばいいだろう。最近では、民間企業でも、能力のない人は平社員のままである。いろいろな事情で出世レースからはずれた人は、その地位に甘んじることもある。同じ事を公務員がすればいいだけなのだが、国家公務員の硬直的な人事制度だとそれ自体ができない。だから、民間企業と同様に降格人事を制度化すればいい。

官製ワーキングプーアをなくそう

 現行では、公務員の総数管理が行われている。医師の例を見ても分かる通り、硬直的な人事にしかならない。その結果、安い予算で、貧困になるようなアルバイトの募集を官庁が率先して実施している。労働基準法の精神に違反するこうした措置は、法的にも問題が多い。2008年には、長期アルバイト雇用の正規雇用化を実施した地方自治体に総務省が圧力をかける目的の通達を出したこともある。厚生労働省は抗議すべきだ。

 総数管理を撤廃する一方で、人件費の上限を定め、アルバイトおよび1年未満の契約公務員を禁止しよう。そうすることで、公務の手伝いなのに、社会保険に加盟できない事態を回避できる。契約更新可能性が5年以上ないものは、募集をかけること自体を禁止にしよう。打ち切りには合理的な説明をすることがすでに最高裁判決であるので遵守しなければならない。実際には、真面目な契約社員がほとんどなので、たいていの人を正規公務員化せざるをえなくなるだろう。そもそも、正規雇用で対応できない事柄は、政府の仕事からはずすことを含めて検討するべきだ。

 実態で言えば、心配性の管理職が部下に命じて作らせる国会対策の無駄な答弁書づくりが多い。質問が来る前から沢山用意しようとすると部下が疲弊するが、最近は、成功すれば自分の手柄、失敗すれば部下のせいにする上司の割合が上昇し、その事で無駄な仕事を官僚は行い、残業をしている。ひどい課だと、残業200時間とかざらで、課の残業手当超過分は一様割合で泣き寝入りなど、末端ほど割を食う制度になっている。そういう課の課長ってたいして働かないんだ。予算案もできていないのに、野党自民党が会期延長を強力に主張したのは、役人を疲弊させる目的があってのことだ。自分たちが与党なら国会の会期を短くするが、民主党が与党だと会期が長くなって仕事量が増えるという役人に対する恫喝である。さすが、自民党。長期政権だっただけに役人いじめも上手だ。本当に被災者なんか見てないことがこの事からもうかがえる。

<2011.9.26>

Kazari