政策立案

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反原子力を実現する政治運動について

報道のTBSが恥も外聞もなく、デマのニュース報道をするようになったので更に真剣に反原子力運動のあり方を考えた

 TBSが何を言っていたかというと、反原子力にならないのは、民主党の野田政権が悪い。民主党だから、民意が反映されないと言う旨のデマをニュースで流していた。非常に悪質だ。いくらマスメディアが経団連の金魚の糞に過ぎず、親米だからといって、そこまで露骨に情報操作してはいけない。

 現在の野田政権が問題なのは、民主党内の意思決定は従来、民主的な手続きを通して決定された。野田総理の下、党の執行部が議論の時間切れ、執行部一任を理由に(もともとといっても橋本龍太郎あたりから党首独裁の)自民党と同じような意思決定に変化したことが、問題の発端にある。しかし、マスコミは自民党のように党首独裁でないのが問題だという自民党と同じ見解で、恵のようなボンクラ・タレントを使って、「普通、学級委員長が決めたら従うのが普通」などと情報操作する悪質さである。そのような詭弁で国民を騙すのは性質が悪すぎる。悪ふざけもいい加減にしたまえ。

 学級委員長が「クラスの全員を処刑する」と決めたら、従わないのが正しい行動だ。内容にかかわらず首長の決定事項を覆せないというのは民主主義ではない。民意が反映されない理由は、野田政権だけの問題ではなく、小選挙区制と自民党のような党内独裁という制度にある。野田の党内運営に問題がないわけではないが、それはTBSの主張とは真逆で、自民党のような独裁制を民主党が持っていないからではなく、野田だけが民主党政権下で、自民党と同じく実質的な独裁制度を実行に移したからである。そもそも自民党の谷垣は原子力推進派である。ここも情報操作が激しい。

 制度が原因ということは簡単に数字の上でも確認できる。今の選挙の投票率は、地方議員だと20%台のこともある。国会議員のどんなに良い場合でも70%台に留まる。小選挙区では、1議員しか当選しないから、その小選挙区の有権者の(0.7*0.5=0.35だから)35%の票を獲得すれば当選できることを意味する。70%の投票率で、最大で35%もの死票が出る。投票率が下がれば、死票も減るが、民意の反映も下がる。衆院参院で、単独過半数の与党が誕生したと仮定する。とりあえず、衆議院(定数480名)の場合だけ考えよう。まず、単独過半数は240以上なので、245議席をとった与党が誕生したとしよう。(245/480=0.51だから)51%である。すべての小選挙区で70%の投票率だったとしても、この衆議院で単独与党の政党は、得票率換算すると、どれだけの民意を反映しているだろうか。(0.35*245/480=0.18なので)、たったの18%である。党内全員が一致した政策をかかげる過半数単独政党で、非常に得票率が高い楽観的な状況ですら、民意は18%程度しか反映されない。

 自民党のように独裁体制を引いていて、最大勢力が党首になった場合を考えよう。党内で単独過半数を占める勢力があるようなことは珍しいが、そのような多数派がいるような楽観的な場合でも、党内の51%に過ぎない。この場合、自民党党首による独裁的な政策が数の論理で衆議院で実現すると、得票率換算の民意は、(18*0.51=0.9なので)、9%になる。たったの9%の民意ですべてが決まっていく。これが小選挙区独裁(自民党)型二大政党制の現実である。これはかなり楽観的な数字例である。投票率が50%だった場合は、7%。更に党内勢力が35%程度の党首の決めた政策なら、4%とどんどん下がっていく。それを野田政権だけの問題というのは明白なデマである。

民意を反映させたいなら、選挙制度は全国比例代表制が優れている

 上記の数字例からも明らかなように、民意を反映させる選挙制度としては全国比例代表制が最も優れている。だから反原発運動とあわせて、実は全国比例代表選挙制度の実現も目指さないと、簡単に反原発にはならないとの見方も成り立つ。現状では、主婦運動として、原子力議員の落選運動もしなくてはならないのだろうけれども、将来的には、緑の党のような立候補者の擁立までやらないと、日本の政治は変わってくれそうにない。もし変えられるとしたら、剛腕として知られる小沢や役員報酬の開示やマスコミで米国に小泉が国益を売ったと明言した亀井くらいだろう。その程度の事をテレビで公言できない政治家に、アメリカと交渉できるはずも、原子力推進派を抑える能力もあるはずがないのである。

 そういうわけで、もちろん、野田や仙谷の落選運動も必要だが、自民党議員の大半の落選運動も必要だ。踏み絵にするのは原子力政策だけではなく、選挙制度など広範にわたる必要がある。しかし、反原子力自民党議員でも、党首一人が原子力推進派なら自民党の下では反原子力は実現しないことを肝に銘じておかねばならない。私が、緑の会派の結成が必要だと言ったり、最終的には緑の党が必要と考える根拠は、小選挙区制や党首独裁制になった自民党や民主党だと、経団連や親米族がちょっかいを出しやすいからでもある。

株主総会で原子力関連企業は、推進継続を明言

 別所にも書いたが、株主による企業統治は不可能と考えた方がいい。現状では手段がほとんどない。だから、株主になって意見を言うのも無意味と思う。それより、主婦運動などでできることは、原子力関連企業の製品不買運動がもっとも有効な手段と考えられる。不買運動は企業がもっとも恐れる手段だからでもある。実施の際は、原子力に関連のない企業を間違わないようにしなければならない。現在、原子力設備を作っている日本の企業は三菱重工業、東芝(ウェスティングハウス・エレクトリック (WH)を買収)、日立GEニュークリアエナジーである。

<2012.6.30>

 個人としては、三菱、東芝、日立グループの家電製品不買をはじめています。特に三菱は軍事産業でありながら、不祥事が多すぎる事から、10年以上避けております。Sharpはなんでダメになったのだろう。「目の付け所が違う」製品として、両開き冷蔵庫くらいしか該当製品を作れなかったのが敗因なのだろうけれども、寂しい限りである。

<2012.9.20>

Kazari