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最高裁判所裁判官の入れ替え制度

 まず現在の国民審査だと、罷免する見込みがない。罷免した実績もない。集計するだけ予算の無駄になるような制度は、あっても意義に乏しい。この罷免制度が有意義になる事態はどう考えても社会的に好ましくない。ならば、どのような制度であるべきかということは議論が必要なはずだ。

 罷免しない理由は色々ある。まず×をつけるという行為自体に心理的負担が大きい。もともとそうした事を見越して、悪質に制度設計されていることは明白である。そして、司法のトップだけは競争せずに、定年がなくてもよいという理由は説得力がない。

 入れ替え制度は、すでに国民になじみのある制度といえる。例えば、具体的には、サッカーや将棋を思い浮かべればいい。

 最高裁判所裁判官は、その長たる最高裁判所長官1名と最高裁判所判事14名の計15名である。この15名のうち、半数ごとでも全員でもどちらでもいいが、半数なら1〜2名の入れ替えを投票で決定する。全員の場合は2〜3名程度が適当だろう。入れ替えされる上位グループの15名(またはその半数)の候補は、行政側で用意してもらって構わない。ただし、その裁判歴はすべてweb上などに情報公開するべきなのは言うまでもない。

 最高裁判所裁判官から落ちて入れ替わった人は、辞退しない限り、次期の入れ替えされる上位グループの15名(またはその半数)の候補となるように、制度設計すれば、それほど入れ替え制度に問題があると思えない。必ず、入れ替えが生じるから、集票が意味のない作業になることはない。

 現状の10年は長すぎるので、5年に1度は実施すべきである。必ず入れ替えが起こるとすれば、不真面目に投票することはないだろう。投票に自信のない人の棄権は認めて構わない。

 それと、投票は罷免投票ではなく、再任投票で行う。再任の票が少ない下位の人を入れ替えるという制度である。国民の投票が無意味になるような措置 (最高裁判所裁判官の欠員が生じた時に、落ちた人を選ぶこと) は禁止されていなければならない。

 こうした提案をする背景には、裁判官の心理的負担を民間に一部押し付ける裁判員制度の実施がある。裁判官の業務の一部が民間負担になるならば、当然その対価として、民間に権利が与えられるべきである。

<2012.12.14>

Kazari