HP PSC 2150のエラー:「スキャナーエラー」
すべて自己責任でお願いします。このHPのオール・イン・プリンタは時々故障しましたが、たいへん長持ちしている。プリンタとCCDスキャナの組み合わせの製品はもう販売していないだろうし、PSC-2150の無償保障期間も終了しているので、自分で定期的に分解掃除しています。以前はスキャナのガラスの裏側に跡がつくので、購入後の無償製品保障期間が切れた後、ガラスの裏側を掃除するために、分解しました。
故障はたいていインク・カートリッジの接触不良なのですが、これはインク・カートリッジの買い替えしかあまり手だてがありませんでした。まだインクが残っているのに、長い期間、印刷していないとなりました。しかし、スキャナ部分がCCD方式だと、厚手のものや破くことのできない物も、スキャンできるので、いまだに重宝しています。

右側の液晶パネルのある部分が、下方(前側)にずらしてはずせる仕組みになっています。丁寧にはずします。その下に、2つほどトルクのネジが隠れています。左上にあるトルクネジと合わせて3本外すと、スキャナを包んでいるガラスとプラスチックの部分がはずれます。液晶につないである配線を外すほか、このガラスとプラスチックの部品に挟んである配線も丁寧に外しておく必要があります。少し力が要りますが、この部品をはずせば、スキャナがお目見えします。
この「スキャナ・エラー」は他の方と同じく、初期化中の途中で、異音が発生して止まるというものでした。何らかの理由で、スキャナ本体が右に行き過ぎているのかなと思い、右側に固定されているスキャナ本体を、ゆっくりと左に移動させました。その状態で仮にトルクネジを止めないで、電源を入れて稼働したら、直りました。
HPがブラザーの複合機のような電話付きのものを作れば、ブラザーより圧倒的に故障しないだろうから買いたいと思いますが、製品化してくれそうにないからなぁ。
<2012.7.9>
現在の複合型プリンタのスキャナーはCISですが、CISだと、図書館から借りた厚手の絶版本などをScanすると、本の中心の方の文字部分まで真っ黒になったりします。最近は、デジカメがCCDで高解像度になっているので、デジカメで撮る方法を代用として我慢するべきかもしれませんが、後で文字認識させることを考えると、スキャナーで何とかならんかなぁと思ってしまう。デジカメで、本の文字に対して垂直・水平を保って撮影するのって簡単ではないから。もちろんカメラを固定するような装置を作らないといけないし。後は、複合型プリンタはCIS、ADF付に変えて、厚手の本をスキャンする時は、コピー後と割り切るくらいかなぁ。複合型プリンタのスキャナー部品がCCDからCISに変更になったのは部品価格が理由でしょうが、完全に質の低い製品に置き換わったから、ビデオテープのβがVHSに負けたのと同じ印象です。
良い技術が残るとは限らないのは分かるんだけど、最近は、VHSビデオ・DVD録画機の、モーターからの駆動部分のプラスチック部品で数円も違わない所にわざわざ耐久性が格段に落ち、2-3年で壊れるような部品を採用するSonyの機械なんぞを分解して見ていると、企業の行動とは何かと考えてしまう。CCDに比べると、CISの方が耐久性は低いから、壊れる製品を作って、買い替えしてほしいという低俗な欲望から、耐久性の低い部品が好まれる原因になっています。現在は、世界的にこんな馬鹿げた低耐久性部品の採用が進行しているのに、マスコミはだんまりを決め込む状態が常態化しています。
本当に民主主義があるなら、消費者団体は、分解して製品耐久性のレビューを書いて、批判すべきなんだよね。日本なら、生活協同組合が率先して、こうした事を行うべきなんだが、大企業優遇の消費者庁は、まるで真逆の対応をとるし、生活協同組合も、食品の安全性テストも大して行わなくなりました。原発事故後、たまに食品のベクレルを測定するくらい。消費者運動が起きた当時は、生活協同組合自体が小さな組織で多数あったから、残留農薬などたびたび調査したり、組合員の主婦が勉強会を開いたりしていた。しかし、合併して大企業化するにしたがい、安全性そっちのけで低価格商品に走るようになりました。これも社会全体から見れば、退化している事柄のひとつです。また、大型化しても良くならない典型です。市町村合併も推して量るべし。
低耐久性部品による利益で役員報酬が上がったとしても、会社としての存在意義は低下するし、消費者の不利益で成り立つ企業利益も、社会全体では好ましくない。PL法が出来た割には、日本の消費者の権利はまるで守られている印象がない。結局、耐久消費財の極端な耐久性の低下から、製品会社はここ数十年くらいの間に、保証期間を3年から1年にほぼ低下させ、消費者は、販売店の長期保証などに頼らざるを得なくなっている。これらの事実は、日本の統計で捕捉されていないから、実は耐久消費財の耐久性の低下は、デフレの過大評価につながっている気もする。
また、こうした消費者利益が奪われる形で、保証サービス産業が生まれても、それは殖産興業政策とは言えない。単なる「ぼったくりバーシステム」である。最近、官僚と企業は、こうしたシステムばかり作って日本の国力を落としている。事例をあげればきりがない。日本育英会の極端な有利子学資提供による奨学生の債務奴隷化、司法研修性の債務奴隷制度の導入など、社会で重債務者が問題になっている時期に、わざわざ自民党が政権時に、重債務人口を増やす政策を行い、その大半をマスコミが民主党政権の責任にすり替えているという現象が、NHKを中心に行われています。世も末だねぇ。
本日も、自民党政権時代に成立した予算で、国土交通省が購入した交通監査システムは、技術的に交通犯罪の摘発不能な機器だったことが発覚しましたが、NHKがそれを民主党のせいのように言った自民党の石破幹事長の発言とつなげて、ニュース報道をしました。悪質な情報操作です。だいたい石破って、防衛省大臣だったとき、自衛隊船舶による死亡事故の原因を徹底して調査すると漁師に約束しただけで、その約束を反故にして防衛省に責任なしの裁判を進めるように指示した張本人である。こんな人間を情報操作で良い人に仕立てるのは、無価値である。
他にも、多数、時事批評の頁で指摘したが、指摘したものは、氷山の一角である。もっと多くの事例を知っているが、最近は悪質な情報操作が指摘して書く時間が追い付かない。
<2012.10.13>
覚書き
CCD、CISの耐久性については、エレクトロニクス系の雑誌にそのように書いてあったと記憶している。記事までスキャンしてないので、いつのどれとは言えないのが悔やまれる。記録しておけばよかった。
最近では、一眼レフの部品までCISに変わり辟易している。製造コストが安いと言うのは、特許料の関係もある。CCDより劣る性質の部分は、CISの場合、周辺技術で補うことで解決が図られる。CISは古い技術だから周辺技術が自社で開発できれば、自社でCIS部品も作れる。そのため、自社で作れないCCDからCISへの変更が続いているという事情もあったらしい。
昔の35mm一眼レフは、親から譲り受けたものが今でも使える。一度分解メンテナンスを頼んでいるが、その価格は約2万円、製品自体は本体が15万円くらいだったと思う。35年程度使えていることを鑑みると、今のデジタル一眼レフが15万円で10年の耐用年数しかなく、10年後には分解修理は不可能で買い替えしか選択がないなら、以前のカメラの3.5倍以上の性能の向上というか消費者側に満足度の向上がないなら、値上がりということになるのだが、私の感覚では値上がりしている。
有機ELの耐久性も問題解決以前に、高額機種などに投入された事もあるので、最近の企業が耐久性を重く見ていない証拠は、この部品以外にも広範に観察できる。
<2013.5.27>