日本がブラジルに1-4で敗れた。これまでの試合振りからすれば当然の結果である。前半キーパー(川口)の好セーブがなければ、もっと一方的であったであろうし、後半、ロナウジージョが決勝に向け体調の万全を期すために交代していなければ、もっと点差がついただろう。
対ブラジル戦では、ジーコは前半、FWに巻、玉田を投入した。最後は奇策でもしないと勝てないと判断したのなら、今までは単に選手をかばっていただけなのだった。試合後の会見で、ジーコは、敗因を世界との「体格、技術の差」にあると分析していた。的確であると思う。正確に言えば、体格差を補えるのは運動量くらいしかないため、運動量、技術の差という事で、基本的な差である。
マスコミは相変わらず無責任な報道で煽っていたが、野球とは全然、選手たちの技量が異なる。野球選手イチローは大リーグで年間最優秀選手に選ばれるような存在である。サッカーで言えばロナウジージョ位に相当する選手である。さらに、大リーグで通用する日本の選手は、サッカーで言えば守備陣の要にあたる投手、野手とすべてのポジションに至っている。ワールドベースボールクラシックには出場しなかった城島選手が大リーガーとなり、捕手でも世界水準となった。野球で日本選手が唯一劣る点があるとすれば、それはホームラン打者だけである。といっても出場しなかった松井選手(NYヤンキース)もいるし、出場した松永選手(SoftBank)と大リーガーとの差はわずかの差にすぎない。一方、サッカーは大リーグに相当する一つのリーグはなく、世界で活躍すると言ってもMFの中村俊輔や中田程度である。特にDFで世界水準の選手は一人としていない。
私は中田選手の発言は傲慢なものが多いので嫌いであるが、今回一番真面目にブラジルに勝ちにいっていた選手は中田であり、とても好感を持った。ブラジルは前半10分くらいは自分たちのサッカーができていなかったと思う。ブラジルは自分たちのサッカーをするために、裏を狙い、DFを引き気味にさせ、引いた後は好きなようにパスを通し始めた。日本のDFは裏を取られるのを恐れて、引きすぎ、MFの運動量を強いて体力を減少させ、攻撃の精度を落とすのに貢献した。
日本が世界に通用するためには攻撃も大事だが、攻撃の精度をあげるために、DFの技量があがる事が必要不可欠であると思う。例えば、クロアチアは対ブラジル戦で、ロナウジージョがボールを持つと3人ついたし、ロナウドに対しても同様のディフェンスをした。日本では一人しかつかなかったのは何故か。DFやMFの怠慢ではないのか?
<2006.6.24記>