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引退会見(島田紳助と魁皇)

 ここまで差が出るものなのだと感心した。まずはすばらしいと思った魁皇の引退会見を振り返りたい。魁皇は、満身創痍ながら、自らのため、ファンのため、気力を振り絞って土俵にあがり、数々の記録を更新して土俵人生を終えた。その晴れやかな笑顔に心打たれた。噂では、スポーツ部の部長クラスが若手社員を制して引退会見場に向かい、魁皇の雄姿を見に行ったそうである。正確な引用ではないが、「自分は、土俵に上がればファンから声をかけられ、最高の相撲人生でした」といった内容を述べていた。「これから後輩の指導にあたり、立派な力士を育てたい」そうである。相撲好きなエピソードには事欠かない。モンゴル人力士同士のいさかいの場に割って入って「まぁまぁ」みたいに仲裁したとか、その事を恩義に感じていたから、朝青龍ですら、途中から魁皇に対して相撲を取るとき、乱暴なダメ押しを封印したとか(実際、朝青龍と魁皇の最後の相撲はそんな感じだった)、魁皇が喧嘩の仲裁に入ったという話は、他にもある。あの乱暴な千代大海ですら、同郷の力士で最も尊敬する力士の一人と公言している。

 魁皇には人情相撲もあったかもしれないが、私には魅力的な力士の一人であった。今後は若手の稀勢の里や琴奨菊が大関になることを期待したい。私としては豊真将に頑張ってもらいたいんだが、上の番付になるとなかなか勝てないんだよな。

 一方、見るも無残だった島田紳助。この人の話す日本語がまず小学生並みだったことに驚いた。編集でこれほど誤魔化されていたとは。記者会見中、何度も繰り返された「自分の中では、セーフだと思った」というセリフがある。これって日本語と言えるだろうか。どんなに無知な同年齢の社会人でも、「自分の判断では、許される範囲だと考えていた」「自分の判断が間違っていた」くらいの日本語は話せるのではないだろうか。しかし、「自分の中では、セーフだと思った」、「でもアウトだった」という島田紳助は、もう薬物などで、脳が侵されているのかもしれない。

 一時期、島田紳助司会のクイズ番組ヘキサゴンで、高校生をわざとらしく負けさせて、罰ゲームをさせるような強引なテレビ放送をしていたことがある。この時期、もう追放してくれないかなと思ったのだが、ここに批判記事を書いておけば良かった。

 この記者会見で、島田紳助は、もし報道されているようなヤクザとの付き合いがあるなら、「皆様の前で切腹します」と言っていた。問題は最後のセリフである。彼は、「皆さんお忙しい中、私の切腹の介錯をしていただき、有難うございました。」という趣旨の事を言って締め括ったのである。彼にとって引退=切腹なのである。つまり、これを解釈すると、本当はヤクザとどっぷり付き合っていましたが、カッコ悪いから言えませんでした。私にとって引退=切腹です。だから、強がったことは大目に見てーなという感じなんですな。大の大人が往生際悪すぎますがな。

 新聞で、きちんとした日本語を話せないこと、含みを持たせた引退会見であることを指摘し批判した記事がなかったのは意外でした。

 その後、どっかの雑誌が警察からのリークを垂れ流しているが、自分の取材で警察以外の他の情報源から裏取ってんのかな?きちんとした取材に基づかなければ、単なる人権侵害です。嫌いな島田紳助相手でも、立件される前から社会的制裁を科すマスゴミの姿勢は傲慢だし、先の厚生官僚の村木氏同様の冤罪事件を生む温床にしかなりません。またマスゴミが冤罪の痛みを大きくすることは避けるべきで、こうした社会的制裁を振りかざすマスゴミの姿勢には断固、抗議していかなくてはなりません。

<2011.9.6記>

 大相撲9月場所(9/11〜)が始まった。前頭筆頭の豊真将が大健闘、把瑠都、琴欧洲、日馬富士といった大関陣を破っての6勝4敗は立派な成績だ。すばらしい。このままの勢いで勝ち越してほしい。大関に期待がかかる両関脇、稀勢の里8勝2敗、琴奨菊9勝1敗もまずまずで、優勝争いに最後まで絡んで欲しい。日馬富士は安定感がないから、仮に今の実力で横綱になっても何場所ももたないと思う。もう少し最初の押しで時天空クラスの体重の力士を一気に押し出しできるとか、体調が悪くても変化とかではなく、早い相撲で勝つとかできないと、綱取り後の安定感に期待ができない。今場所に関しては相撲が遅い。

<2011.9.21追記>

Kazari