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相撲

 把瑠都について、「横綱の実力がすでにあるのだから、とっとと横綱になりなさい」という趣旨のことを昨年9月25日に書いてから、ようやく初優勝を遂げた。批判の多い対稀勢の里戦について一言書いておこう。これまで立ち合いに悩み、当日その場で決めたことが見事に決まって嬉しかったのだろうと思うが、花道を相好崩して帰るのは、大関としてみっともなかった。だから試合の内容もさることながら、退場時の態度が非難される最大の理由だと思う。品格というのは試合内容も含むかもしれないが、試合後の態度も重要で、この点は多くの人が指摘する通り、把瑠都の態度は幼稚だった。把瑠都が使う言葉については私は好印象を持っている。喜ばそうとするファン・サービス精神は立派で、琴欧洲と言われても笑顔で握手に応じるのもすばらしい。意図的に悪意に解釈しない限り、変な発言も私はまったくなかったと思う。発言問題に関しては、マス・メディアがかなり歪めて伝えることが多すぎると思う。母国語でもないのだから、そんなに目くじらを立てるのは止めた方がいい。外人が日本語でしゃべりにくくなる環境をマス・メディアが作ることは人種差別をまき散らすのと大差ないからである。

 稀勢の里は大関昇進後も、いい相撲内容だと思う。好調を維持してほしい。琴奨菊は大関昇進を決めた9月場所も出来過ぎの印象だったが、大関昇進後の11月場所も成績がよくて意外だった。1月場所は不甲斐なさすぎだが、他の大関陣が調子よければ、順当な気もする。そうは言ってもカド番は逃れたわけだから、今後もすぐに大関陥落なんてことにならないようにしてほしいものだ。豊真将はまた低迷してしまった。11月場所は最低でも9勝、1月場所は12勝程度しないと大関は遠いなぁ、頑張れ、豊真将。

<2012.2.1>

Kazari