タブレット以降の戦略が見えない日本家電・PC業界
日本企業は大丈夫なんだろうか。タブレットはファッションで数年は流行るかもしれないが、一般的なビジネス需要に応えらえるほどの製品ではない。一般的なビジネス需要のためには音声入力が充実しないと使えないと思う。会議での議事録作成が、少しアナウンサー口調にするだけで自動的に作成できるなら、タブレット型なども役立ちそうだが、入力も画面で行うタイプは壊れやすく、数年で飽きられてしまう懸念がある。私は買う気すら起きない。MacのPCは使ったこともあるいい製品だったが、iPhoneやiPadにそれほど魅力や将来性があるとは思えない。物珍しいだけ。
タブレット端末に話を戻すと、ビジネスでは在庫管理など限られた場面でしか、今の所使えそうにない。一般では、音声入力が充実すれば、大学生のノート代わりになるかもしれない。英語圏ならすでに音声入力の精度が高いため、実用性が高くなるが、日本語だと漢字変換などの問題も残るため技術的にも難しい。音声によるテキスト入力のことで、家電を音声で命令実行するのはあまり意味がない。声に反応する家電は、障碍者向けによくても、一般の人には魅力のない製品だと思う。テレビの音声拾われて誤動作されても迷惑だし。それより、iPhoneなど普及している携帯端末に、リモコン機能をもたせるアプリを付けた家電製品を開発する方がまだましだろう。
タブレットの商品寿命を延ばす手段には、音声読み上げが考えられる。忙しいサラリーマンが読みたい本をネットで買っても、タブレット上で読むのは大変である。通勤中に本を音声読み上げして聞ければ、読書代わりになる。早送りで再生できれば、より多くの本を消化できるから、ピッチを変えても聴き取りやすい音声読み上げは、時間の節約に役立つだろう。米国では車社会なので、カセット書籍に根強い人気があり、CD書籍となって現在も支持されている。日本では地方以外は車社会ではないので、それに合わせて、人間のように自然なテキスト音声読み上げがあれば需要が見込めるが、今の音声読み上げソフトは障碍者向けに特化しすぎており、値段も魅力的でないため、音声読み上げソフトを買う気もおきない。
日本の企業は、MicrosoftにもOSの度に変更される技術には苦情を言うべきだろう。その分野のソフト技術の進展が停滞する可能性が高い。一般向けに大ブレイクするのを妨げてしまう恐れもある。今の所、毎回のように変わるのは、MIDI音源関係、音声入力、音声合成のプラットフォームなどがある。
ガラパゴスやメモ端末「ポメラ」、辞書端末のような単性能の携帯製品にも未来があると思えない。ゲーム機ですら、アメリカではケーブルテレビ一括方式が進み、ゲーム機離れが進んでいて、この方面でも、Sony、任天堂ともに負け始めている。
書籍のカット、高速スキャナー、OCRの精度向上と三点そろうことで、これらの商品も魅力的になった。これからも、こうした組み合わせを考えて、開発しないとヒット商品は生み出せそうにない。それから省時間につながる製品は大分減ってきている。電力消費のあがる家電も日本では曲がり角だ。乾燥機付き洗濯機もアメリカなら、マンション共用部にガス式となるが、日本では個人宅で電気消費の増える電気乾燥機が主流であり、魅力に乏しい。
<2011.10.20>