はじめに
ミクロ経済学は、経済学のひとつの分野です。ミクロ経済学では、主に企業や家計をひとつの単位として分析を行います。一方、マクロ経済学はマクロ(=巨視的)なので、国家などをひとつの単位として分析を行います。
産業を単位として分析を行う場合、通常はミクロに含めますが、特別にセミ・マクロという場合もあります。歴史的に見れば、厳密な数学モデルを先に使い始めるのが、ミクロ経済学の分野になります。産業を単位とした分析をミクロ経済学の分野に入れるのには理由があって、分析の手法がミクロ経済学の分析手法の応用から発達したものが多いためです。産業連関分析も扱っている内容はマクロ的ですが、ミクロ経済学の分析手法の延長にあります。ミクロ経済学の一般均衡分析も同様です。1980年代頃になって、厳密な数学モデルを重視する立場から、マクロ経済学のミクロ経済学的基礎付けが流行りましたが、厳密な数学モデルで解ける範囲は狭いので過度の厳密性追求は廃れたように思います。最近では、経済的合理人の理論的仮定を緩めるために、ゲーム論が応用され始めました。やや技術的にトリッキーに感じる部分もありますが、既にこの分野でノーベル賞が生まれています。ノーベル賞でいえば、ミクロ経済理論を他の社会学の領域にまで応用したG.Beckerの研究などが有名です。
ミクロ経済学は数学的により厳密で、その応用分野に厚生経済学などがあります。厚生経済学と開発経済学の分野では、ノーベル賞受賞者のAmatya Senなど有名です。
ミクロ経済学は、家計の消費に関する理論、企業の生産に関する理論が基本となります。