経済学入門




第2章.経済学の定義

 経済学の定義には、数多くのものがあります。あまり定義を探究する事は意味が無いのですが、雑学まで、いくつか列挙しておきます。

経済学の定義
Jean-Baptiste Say(セー,1767-1832)「富が生産され、分配され、消費される仕方の解明」
John Ramsay McCulloch(マカロック,1789-1864)「人間にとって必要であり、有用であり、快適であるもので、同時に交換価値をもつ物品、生産物の生産、蓄積、分配および消費を規制する諸法則の科学」
Heinrich (Friedrich) von Storch(シュトルヒ)「諸国民の繁栄を決定する自然的諸法則」の科学
Nassau William Senior(シーニア,1790-1864)「富の性質、生産、分配を取り扱う科学」
John Stuart Mill(J.S.ミル,1806-1873)「富の性質、その生産と分配の諸法則である。ただし、直接的もしくは最終的に人間の状態を反映させるか、その逆に導くあらゆる原因を含んでいる」
Wilhelm G.F.Roscher(ロッシャー,1817-1894)「目的はひとえに人間の経済的性質と経済的欲求を述べること。この欲求の満足に関係する法則と諸制度の性質、その成功の大小の度合いを探究する」
希少価値の科学

 経済学の定義の探究は意味がないと書きましたが、これは「経済学」など意味範囲の広い用語全般に対して言える話です。逆に、一意的に解釈しなければならない専門用語も数多くあります。そのような専門用語を正確に理解しなければ、理論モデルそのものが理解できなくなります。

 経済学の入門書には、ミクロ経済学とマクロ経済学が両方書かれています。そして、基礎と応用のように分かれている場合には、おおよそ閉鎖経済と開放経済が対応します。ミクロ経済学の基礎が部分均衡分析、ミクロ経済学の応用が一般均衡分析、国際貿易、マクロ経済学の基礎が古典派とケインズ経済学の閉鎖経済版、マクロ経済学の応用が国際マクロ経済(国際金融)といった感じになります。

Kazari